私達が何かにイライラしたり、くよくよ悩んだりするとき、そこには「事実」と「感情」が存在します。
例えば、夫に「部屋が汚い」と怒られたとします。
そうすると、自分が出来ていない事を残念に思い、一応反省して、「明日からはちゃんと片付けよう」と思うのですが、結局あまり変わらず、また怒られることになります。
そのうち、「私はズボラでダメ人間」と思うようになります。
むしろ「ズボラでダメ人間」と自分で自分を思ってしまった方が心がラクなのです。
自分で自分を否定した方が、夫に怒られる自分を肯定できるからです。
そこで大切なのが「事実と感情を分ける」という事です。
事実と感情を分けて物事を見ると、見えてくる世界があるのです。
この記事では、
- 事実と感情を分けないとどうなるか
- 事実と感情の分け方
について説明します。
事実と感情を分けないとどうなる?
先ほどの例で考えてみます。
夫から言われた言葉はコレだとします。
「部屋が汚くて、仕事から帰ってきたくない。一日中家にいて何をやってたんだ?」
ズボラ主婦は言われがちな言葉ですよね(涙)
ここで
と思ってしまうのは簡単なんです。
「自分がズボラでポンコツだから怒られる」と辻褄が合っているので、それ以上考える必要がないからです。
「そうだ、私がもっとしっかりとすればいいんだ」と思います。
でも、具体的な計画に落とし込むことが出来ていないので、意思のパワーだけで変わろうとしても、なかなか続きません。
更に、自分を卑下して生きることにメリットはあまりありません。
自分に自信を持てない状態だと、絶望感や自責の念にさらされ、幸せを感じられないからです。
事実と感情を分ける方法
では、どうしたら事実と感情を分けられるのか、その方法を説明します。
- 感情を書き出す
- 事実を書き出す
- 対策を考える
- 望む姿を考える
まず、手書きでノートに書き出すことを前提としてください。
PCやスマホに書き出すのでもいいのですが、手書きで書くと脳が活性化して、色々思いつきやすいのです。
では、「事実と感情を分ける方法」を1つずつ説明します。
【事実と感情を分ける方法①】感情を書き出す
まずは自分が感じた感情を、感じたままに書いてみます。
ちくしょう。なんで私は〇〇ちゃんみたくしっかりしてキレイ好きじゃないんだ。私だって忙しくしてるのに、あの言い方なくないか?絶対外で仕事してる方が楽だし、汚いのだって私じゃなくて、子供達のが多いじゃん。なんで子供が汚してるのも全部私が怒られるのさ。私は時間がない中一生懸命やっているのに、全然分かってない。私に休む間なく、掃除と家事してろってこと?あー、もう、ムカつく。きれい好きならこんな事で怒られないのに~!ポンコツすぎて嫌になる~!だ~!!!
怒りや悲しみやモヤモヤがいったん晴れるまで、吐き出します。
心積もりノートラボの大木あゆみさんいわく、ここでしっかり吐き出した方が、事実をきちんと見る事ができるそうです。
【事実と感情を分ける方法②】事実を見てみる
次に、自分がポンコツかどうかは横に置いておいて、事実を見てみましょう。
まず、部屋の状態です。
- 机の上に読みかけの本2冊・お菓子の袋(ゴミ)・学校のお便りがある
- ソファには脱ぎっぱなしのジャケットが2着ある
- 床にはランドセルとノート・教科書・鉛筆が散乱している。
- 遊び途中のLEGOが床に出ている
- キッチンには飲み終わったマグカップが3つ
- 朝の食器がまだしまわれていない
- 洗濯物が山になって畳まれていない
- ベッドメイキングがされていない
私が最初に「事実」を書き出した時、「ベッドの上ぐちゃぐちゃ」「机の上ぐちゃぐちゃ」と書きました。
でも、この「ぐちゃぐちゃ」は人によって違うので「事実」ではないと教わりました。
誰が見ても分かるように書き出すのが「事実」です。
では、もう1つの事実を書き出していきます。
- 朝食準備・後片付け(洗う所まで)
- 掃除機掛け
- 洗濯・洗濯物干し
- 身支度
- パート(14時まで)
- 洗濯物取り込み
- 子供のお迎えと宿題チェックと会話
- 夕飯の支度・食事・後片付け
- 子供の悩み相談
帰宅時に嵐が去った後のような家を見ると、何もやっていなかったように見えるのかもしれませんが、実は色々やっているんですよね。
きっと考えれば分かるはずなのに、瞬間的に「なんだよ、これは!」って怒ってしまうんでしょうね。
【事実と感情を分ける方法③】対策を考える
書き出してみると、見えてくるものがあります。
- 一日中何もしなかったわけじゃない
- 1日の生活の中に、掃除や片付けの時間はあまり残されていない
- 部屋が劇的に汚れたのは子供の帰宅後
- 一日中何もしてなく見えるのは、朝の物がまだ残っているから
という事が分かりました。
そうすると、取り組むべきことが分かってきます。
- ベッドは整えて布団を半分に折るだけでベッドメイキングしたように見える(30秒)
- パートから帰ってきたら朝の食器をしまう(5分)
- 洗濯物を取り込んだら畳んでしまうまで一気にやる(10分)
- 学校のお便りはいらない物はすぐに捨て、必要な物は手帳にしまう(10秒)
これが私だけの力で変えられるものです(全部で16分!)。
子供に対しては、
- ゴミはゴミになった瞬間捨てる
- 出したら、しまう
- ジャケットをコート掛けに掛ける
- 宿題が終わったらランドセルにしまって片付ける
- 本を読んだら片付ける
- 1つの遊びが終わって場を離れるなら片付けてから
- 洗濯物は洗濯カゴへ
を指導すると同時に、子供が自然と行動しやすいような工夫が必要です。
例えば、「ゴミを捨てない問題」には、テーブルの上に簡易ゴミ捨てを作ると良いかもしれません。
ジャケットの脱ぎっぱなしは、リビングルームにコートハンガーを用意したらいいかもしれません。
「死んでも物を床に置かない」ルールを徹底させるのもいいかもしれません。
出来ない事を頭ごなしに起こるだけでは、夫に感じた怒りやモヤモヤを子供も感じることになるでしょう。
子供と何ができるのか、話し合うのもいいかもしれません。
【事実と感情を分ける方法④】自分が望む姿を考える
部屋に物が散乱していたことは事実です。
部屋の汚れ具合の許容範囲は人によって違うので、夫が許せる範囲まで整えたいと思うなら、自分の中の完成形を現実的な形で考えてみます。
- ベッドメイキングがされている(簡易的)
- 朝の食器はしまわれている
- 洗濯物はしまわれている
- 夕食の前に学用品と遊び道具がいったん片付けられている
これだけです。
夕食前にどの状態になっていたいかを子供と共有しておけば、「そろそろ夕食だから片付けて」とだけ伝えればOKです。
子供達に逐一「ジャケットは掛けて!」とか「ランドセルをしまって!」とかいう必要もなくなるでしょう。
自分はどういう人でありたいのかを考えると、自然とやるべきことが見えてきます。
【まとめ】事実と感情を分けると見える世界がある
部屋が汚くて怒られてイライラ・モヤモヤした時、そこには色々な感情が渦巻いています。
でも、自分がやれない事・出来ない事と自分がポンコツな事は別物です。
怒られて、モヤモヤ考えているうちに、そのように思考をつなげてしまっただけです。
事実は事実として受け入れて、感情を切り離すことで、何をしたらいいのか見えてくることがあります。
自分を責めて、卑下するのは簡単です。
でも、今日怒られてしまった自分はそれで受け入れ、行動としてできる事を考えていきましょう。