なんて言葉を聞いたことがありますか?
これは「ポジティブ思考」という思考法です。
ポジティブ思考のメリットは、
- 未来に希望を持ち、やる気になる
- 心身ともに健康になり寿命が延びる
- 人を惹きつける魅力が高まり、人間関係に恵まれる
- 自己肯定感がUPし、困難な時も対処できる
というものです。
確かに、幸せを手にするには前向きな思考や前向きな姿勢は大切です。
でも、常にポジティブな思考を持つことを自分に強要している人は、ネガティブな思考を持っている事を許さず、自分を罰し始めることがあるのです。
この記事では、そんな過度なポジティブ思考の短所について説明します。
ポジティブ思考の短所
万能に見えるポジティブ思考ですが、バランスを欠くとわたし達に悪く働くことがあります。
「ポジティブ思考中毒(トキシック・ポジティビティ)」とも言われますが、自分や他人に対して、本当にそうでない時にポジティブな感情や行動を強制するようになります。
そんな過度なポジティブ思考の短所として挙げられるのはこの5点です。
- 感情を押し殺し、心を苦しめる
- 不安が大きくなる
- 問題を軽視する
- 現実に直面することを拒否する
- 成長を妨げる
1つずつ詳しく説明しますね。
【ポジティブ思考の短所①】感情を押し殺し、心を苦しめる

常にポジティブ思考でいようとして、自然に湧き上がってくる悲しみや怒りといったネガティブな感情を押し殺してしまいます。
消化されることのないネガティブな感情が、日々溜まっていきます。
ネガティブな感情は無視すればするほど大きくなっていきます。
そのかたまりが大きくなって、いつかは爆発してしまうかもしれません。
感情を感じることに「良い」も「悪い」もありません。
感じた感情に罪悪感を感じる必要はないのです。
人間は生きていれば、常に幸せであることはありえません。時々傷つくことがあるのが当たり前です。
【ポジティブ思考の短所②】不安が大きくなる

自分が感じている感情を無視して「元気」や「幸せ」を感じるように強いると、不安や不快を感じることがあります。
ポジティブ思考でいると一時的に気分が良くなることがあるかもしれませんが、その不安は解消されていないのです。
結果、その感情を無視する以上の悪い状態を引き起こすことになるのです。
2011年のスタンフォード大学の研究によると、他の人によって、自分の持つ否定的な感情を感じない事を期待されている場合、否定的な感情をより強く感じ、幸福感を減少させることがわかりました(参考リンク)。
自分の感情をタイムリーに処理できないと、時として、睡眠障害やうつ病だけでなく、身体的な病気として現れる可能性があるのです。
ポジティブ思考を「良し」とされている雰囲気の中では、ネガティブな感情を感じることが難しいけれど、否定し続けることで不安や孤独が大きくなります。
【ポジティブ思考の短所③】問題を軽視する

過度にポジティブ思考でいる時、わたし達は「全体」を広く見る傾向があります。
目の前に広がる世界に問題はなく、正しい状態であるに決まっていると考えるのです。
ネガティブな感情を感じているのに、「常にポジティブでいないと幸せになれないよ」と押し付けられたらどうでしょうか?
あなたの問題やネガティブな感情の理由を訊かずに、ポリアンナのように「でも、それに感謝しないと!」なんて言われたら、孤独を感じて、余計に辛くなりますよね。
目の前の問題に集中することができなくなり、自分を否定してしまい、セルフコンパッションを感じる余裕がなくなってしまいます。
ありのままの感情を受け止め、許しましょう。ネガティブな感情を感じるのは当たり前です。その原因と向き合う時間を必要としています。
【ポジティブ思考の短所④】現実に直面することを拒否する

ポジティブ思考中毒となると、現実を否定する状態を導いてしまいます。
否定的な感情や否定的な結果について考える事を避け、いつでも明るい方向を見るようにします。
常にポジティブ思考でいようと、現実を歪めて評価するようになり、ネガティブな結果をもたらす可能性がある事を避けるようになります。
例えば、コロナ渦中の自粛期間に、コロナ感染の不安の上に、子供の勉強、家事、リモートワーク、運動とただでさえエネルギーを消費する生活なのに、それだけだとネガティブだと捉え、更に語学の勉強や凝った料理などを始め、自分を追い込むことがあります。
もしポジティブ思考中毒で取り組んでいるのならば、そのストレスは時間を掛けて大きくなり、あなたに押し寄せてくるのです。
否定的な感情を否定し続けるより、その状況を認めた方がよい方向へ進むのです。自分ではコントロールできない問題もあって、それはどうしようもないのです。
【ポジティブ思考の短所⑤】成長を妨げる

成長とは、良い事と悪い事のすべてを受け入れ、そこから学ぶことです。
わたし達には「心理的免疫システム」という、幸福を作り出す能力が誰にでも備わっています。
立ち直れないような困難や悲しみの中にあっても、その傷を回復する力があるのです。
ポジティブ思考中毒になっていると、失敗や困難を見る事を避け、そこから必要な事を学ぶことを避けてしまいます。
新しい挑戦をすれば、失敗もあるし、能力が足りずに恥を書くこともあるでしょう。
でも、そこには必ず学びがあり、成長があります。
ネガティブな感情を持つかもしれないけれど、飛び込んでみるのも大切です。
失敗や困難に当たり、ネガティブな感情を持つことを恐れなくても大丈夫です。わたし達はそこから必ず立ち上がり、幸せを感じることが出来る能力が備わっています。
【まとめ】ポジティブ思考の短所を知って、バランスを取ろう

以上、ポジティブ思考の短所を5点説明しました。
- 感情を押し殺し、心を苦しめる
- 不安が大きくなる
- 問題を軽視する
- 現実に直面することを拒否する
- 成長を妨げる
ポジティブ思考は致命的な病気を治すこともないし、万能ではないのです。
もし今、幸せを感じないのだとしたら、その理由は「ポジティブな思考を持っていないから」ではありません。
ポジティブ思考によって、楽しい希望を夢見るのは良い事です。
でも、現実との境目を区別する必要があります。
新しい挑戦をすれば失敗もあるし恥を感じることもありますが、そこには成長がついてきます。
ネガティブな感情やネガティブな思考は受け入れてこそ、そこから学びがあります。
ポジティブもネガティブも両方を持つのが人間です。
どんな感情であっても、その感情を持つことは「悪」ではありません。
どちらの感情にも囚われすぎず、バランスを大切にしましょう。