年末年始になると、次の1年をどう過ごそうかと目標を決める人が多いと思います。
私達は子供の頃から「目標は何?」と言われてきました。
確かに目標を設定すれば、私達は努力をするし、目標を達成出来た時の喜びがあります。
でも、どうして私達の人生には目標が必要なのでしょうか?
「目標を設定しないと、脳がどのように働くのか」という視点から、目標が必要な意味を紹介します。
人生に目標は必要か?
「人生に目標は必要か?」と聞かれたら、私は「YES!」と答えます。
目標を設定すると、
目標を設定すると起こるポジティブ効果
- 自分の未来を意図的に創造しはじめる
- 目の前の快楽から、幸福な未来へ焦点を当てるようになり、行動が変わる
- 自分のエネルギーを「消費」ではなく「創造」に使うようになる
- 自分の能力が格段に向上する
- 人生を楽しんで、経験を増やし、自信を持つことができる
という効果があります。
今の生活を惰性でその日暮らしするのではなく、充実させ、より喜びを感じることが出来るようになるのです。
でも、目標を設定するだけで、ポジティブな効果が生まれるのは何故でしょうか?
それには、私達の脳の仕様が関係しています。
次の章では「目標を設定しないと、脳はどのように働くのか」について説明します。
人生に目標が必要な理由がわかるはずです。
目標がない時の脳の働き
私達の脳は、人間を外的から守るために高次的に成長してきました。
すごく精密に動いているようで、人の目に錯覚を見せたり、勝手に解釈させたりと意外とポンコツ(?)な部分もあるのです。
ここでは、目標がない時に脳がどのように働くのかを説明します。
- 目の前の快楽にとびつく
- 過去を繰り返す
- すでに上手なことをやろうとする
- 人に依存する
- 役立たない感情でいっぱいになる
1つずつ詳しく説明します。
目の前の快楽にとびつく
私達の脳は、残念ながら将来の幸せより、今の幸せを重視します。
例えば「ダイエットする」という目標があれば、夜中にドーナッツを食べるのを我慢して、サラダを食べるかもしれません。
でも、なんとなく「痩せたいなぁ」とは思っていても、目標として設定していない場合、今食べたいと思っているドーナッツを食べてしまうんです。
私達の脳は、目の前にある「SNSを見る」とか「TVを見る」とか「ネットサーフィンする」など、今すぐに感じられる快楽を望みます。
「勉強」や「仕事」など、目標達成のためにやらなくてはいけない事が少し「痛み」や「我慢」を伴う場合、脳としては避ける傾向があります。
ずっと避け続けていては、結果は望み通りにはならないのは一目瞭然ですね。
もっと幸せで満足する人生を送りたいと思っているのなら、長期的な喜びに目を向けるべきなのです。
過去を繰り返す
私達は、日々色々な経験を通して、脳が学習をし、神経経路を構成します。
脳としては「生きること」が最大の目的なので、今までの経験から生き続けているのならば、それは「安全」で「正しい」選択なのです。
何かをするときには、脳は「今までと同じ経験」を繰り返すことを好みます。
一度経験した事を繰り返すのには、脳はエネルギーを必要としません。
「もっと収入が上がりたい」となんとなく思っていても、それを目標と設定しない限りは、今までと同じように過ごすことになるでしょう。
過去の自分と変えるには、目標を設定し行動を変え、脳に新しい神経経路を作るよりほかはないのです。
すでに上手なことをやろうとする
脳はすでに自分が上手にできる事をやろうとします。
例えばあなたが、いつもキレイな家を保っていたとします。
親にも友達にも、部屋がキレイでいることを褒められた経験がたくさんあります。
でも、子供が産まれると当然ながら常にキレイでいることは難しくなります。
あなたは部屋が汚れる事で心がすさみ、ギスギスしてくるかもしれません。
子供や夫にも、自分が上手に出来る事を同じように出来るように、強く欲求するかもしれません。
そこで「子供が自分のおもちゃで思いっきり遊べて、笑顔で過ごし、家族は質の高い時間を一緒に過ごす」という目標を設定した場合はどうでしょう?
大切にしたい物が変わり、少し部屋が汚れたからと言って怒鳴る事はなくなります。
目標を設定するから、脳は上手にできる事ができなくても、強迫観念を感じず、それ以外の状況でも好むようになるのです。
人の問題に依存する
多くの「お母さん」によくある事ですが、赤ちゃんが育ち、自分が今までのように必要とされなくなった時、少し寂しさを感じてしまいます。
子供は子供の人生を歩み、お母さんとは離れていきます。
それでも、脳は過去と同じように動こうとしますから、子供の人生に必要以上に首を突っ込んだり、子供では埋められない穴を他の人で埋めようとします。
他の人の問題やSNSの先の世間で起こっている事に多くの時間を割くようになります。
目標があれば、新たに生まれた時間や心の余裕を、自分の成長のために使うようになります。
自分でコントロールできる事に時間を使い、生産的で充実した生活を送ることが出来るのです。
役立たない感情でいっぱいになる
私達の脳は、絶えずおしゃべりをしています。
頭の中にあなたの周りで起こるすべての事を心配するルームメイトがいるとイメージしてみてください。
起こってもいない問題を勝手に想像して悩んでみたり、過去に起こった嫌なことを思い出してみたり、昨日誰かとした会話を繰り返してみたり、1日中ずっと何かをおしゃべりしています。
気にしていないと、ほとんどがネガティブな事です。
あなたはそのおしゃべりを聴いていると、不安に感じたり、自己嫌悪に陥ったりします。
目標があれば、そのネガティブなおしゃべり(思考)を別の方向に持って行くことができます。
自分ではコントロールできない事に心を悩ませたりするのは意味がない、と分かるようになります。
【まとめ】人生に目標は必要か?
目標がなければ、私達は自分ではコントロールできない他の人の問題に夢中になったり、未来の自分の幸せを犠牲にして、目の前の小さな満足感にふけることになります。
目標を設定することは、とても大切です。
でも、「目標を作る」とは、実は難しいもので、自分の心が本当に求めているものを目標にしないと、その努力は苦しいものになってしまいます。
まず、「自分が本当に目標にしたいことは何か」に心を巡らせてみてください。
そして、手帳に今年の目標を書き出してみましょう。
1年で人は大きく変わります。
来年、振り返ったときに自分が大きく変わったことに気が付くと思います。
この記事はNatalie Baconさんのポッドキャスト「Why Your Brain Needs A Goal」を元にして書きました。英語が分かる方は是非こちらのポッドキャストを聴いてください。