私には、どうもいつも「私は全然足りない」と、自分を認めることができない気持ちがありました。
人に褒められても、「もっとできる人がいるし」と素直にその言葉を受け取れないのです。
最近、その症状には「インポスター症候群」という名前がある事を知りました。
1970年代から研究され、心理学者の心理学者のポーリン・ローズ・クランスによって最初に特定されました。
エマ・ワトソンやトム・ハンクスなど、誰がどう見ても成功している人達もインポスター症候群だったことを告白しているそうです(ダイヤモンドオンラインより)。
「インポスター症候群だった」という事は、この感情は直すことが出来るのです。
という事で、この記事では、
- インポスター症候群とは?
- インポスター症候群の症状
- インポスター症候群を克服するには?
について説明します。
インポスター症候群とは
インポスター症候群とは、自分自身を認めることが出来ない症状の事を言います。
どんなに褒められても、「運が良かった」「周りの人がやってくれた」「次はうまくいかない」と悲観的に考えてしまいます。
インポスター(Imposter)とは「詐欺師」という意味の単語で、「自分が詐欺師のように周りの人をだましている」という気持ちになっている事から、この名前になりました。
「自分が思う自分」よりも「他人の思う自分」の方が優れていると考えてしまうのです。
インポスター症候群は精神的な病気ではなく、「思考の癖」です。
ただの「癖」なんですが、放置しておくと、いつまでも自信を持てずにくよくよ悩み、うつの傾向が強くなってしまいます。
インポスター症候群は多くの人が抱える問題で、この気持ちは「克服できる」のです。
インポスター症候群の症状
インポスター症候群の人は、自己肯定感が低く、例え調子が良くても「いつか必ず失敗する」と考えています。
そのため、失敗することを恐れ、チャレンジを避ける傾向があります。
また、成功してもそれは「周りの人」や「運」だと考えるため、自分自身に自信を持てず、自分を過小評価します。
他の人からの良い評価には、「必要以上の評価をもらっている」と罪悪感を持っています。
また、「いつか化けの皮が剝がれる」と恐れています。
褒められれば褒められるほど、不安感が増してしまうのです。
インポスター症候群の原因
インポスター症候群になる原因は、社会通念だったり、家族の教え、育ってきた環境だったり、何がきっかけでこの思考の癖を発動するのかはよく分かっていません。
インポスター症候群の特性としては、5つに分類されています。
- 完璧主義者
- 専門家
- 生まれつきの天才
- ソリスト(一匹オオカミ)
- スーパーマン/スーパーウーマン
では、1つずつ詳しく説明します。
【インポスター症候群①】完璧主義者
「完璧主義者」は自分に対して必要以上に高い期待があり、すべて完璧にできなくてはいけないと考えています。
そのため、目標の99%を達成したとしても、達成できなかった1%に焦点を当てて、失敗のように感じてしまいます。
何かミスを見つけると、とても残念な気持ちになって、何日も頭から離れません。
何かアドバイスをもらうと、何も失敗していないのに「期待通りに出来ていない」と感じてしまいます。
「自分でなければもっとうまくやれた」と信じているので、どんなに成功しても満足できないのです。
【インポスター症候群②】専門家
「専門家」は、何か始める前には、すべての情報を知っておかなくてはいけないと思っています。
常にスキルアップのための資格やトレーニングを探しています。
「経験が浅い」とか「知識がない」と思われることを極端に恐れています。
そのため、自分の意見を言ったり、アイデアを出すことに躊躇します。
自分の準備が整う前に(整う事はない)、自分の実力をさらされるのを恐れ、挑戦を避ける傾向にあります。
【インポスター症候群③】生まれつきの天才
「生まれつきの天才」は、幼いの頃から努力をしなくても、常に人より秀でた成績を収めていました。
何でも簡単にできる事に慣れていて、周囲からそういう自分を求められていると感じています。
そのため、何かを成し遂げるために一生懸命努力しなくてはいけない時は、自分自身を恥じてしまいます。
自分への期待が高く、簡単に出来きない場合、挑戦を避けてしまいます。
なんと、あのアインシュタインもインポスター症候群の感情に苛まれていたようです↓
「私のライフワークに対して過度な敬意が払われていることが、非常に落ち着かない気持ちにさせる。まるで自分が詐欺師のように感じるのだ」
あの偉人も!? ビッグな彼らがインポスター症候群を克服するまで
【インポスター症候群④】ソリスト(一匹オオカミ)
「ソリスト(一匹オオカミ)」は自分自身ですべて成し遂げなくてはならないと思っています。
自分を人より優れた存在で、自分自身の成果をもってそれを証明しないといけないと思っています。
そのため、誰かに助けを求める場合は、失敗か能力が足りないためだと考えてしまいます。
【インポスター症候群⑤】スーパーマン/スーパーウーマン
「スーパーマン」または「スーパーウーマン」は、なんでも一生懸命やらなくてはいけないと思っています。
仕事、子育て、家事、人間関係、付き合いなどの面で、人より成功していなくてはいけないと感じています。
ゆったりリラックスしている時間を「無駄な時間」と感じ、自分を追い込んでしまいます。
少しでも人より劣っているところを見つけると、自分は無能だと感じてしまいます。
インポスター症候群の克服方法
では、インポスター症候群の克服法を説明します。
- 考えを認識する
- 感情と事実を切り離す
- 失敗や間違いは誰にでもある事を認識する
- 成功体験を視覚化する
- 思い込みやルールを捨てる
- 自分にご褒美をあげる
1つずつ詳しく説明しますね。
【インポスター症候群の克服法①】考えを認識する
自分で自分を認められない感情には「インポスター症候群」という名前が付いています。
「インポスター症候群」は思考の癖で、克服することができます。
原因は分かりませんが、多くの人が苦しんでいる症状です。
この感情を大きな問題にする必要はありません。
まずは、それを知ることからスタートです。
【インポスター症候群の克服法②】感情と事実を切り離す
どんな時にインポスター症候群特有の感情を感じるのかを観察してみましょう。
- 人から褒められた時?
- 小さな失敗をした時?
- 人に頼まないといけない時?
「私はダメ人間だ」と感じたとしても、あなたがダメ人間である理由にはなりません。
【インポスター症候群の克服法③】失敗や間違いは誰にでもある
失敗や間違いを犯さない人はいません。
誰でもみんな、ミスをします。
大切なのは、失敗や間違いに対してどう対処するか、です。
失敗の原因を把握し、次に活かせば良いのです。
失敗とは、より賢く再挑戦するためのよい機会である。
ヘンリー・フォードの名言・格言
まじめな失敗は、なんら恥ではない。
失敗を恐れる心の中にこそ、恥辱は住む。
【インポスター症候群の克服法④】成功体験を視覚化する
あなたが何かを成し遂げた時、どのように達成しましたか?
どのようなプロセスや考え方で「実績」を得たのかを考えます。
「運」や「周りの助け」の他に、あなたがやったことは何でしたか?
自分のスキルや働きかけによって達成されたことを書き出してみましょう。
【インポスター症候群の克服法⑤】思い込みやルールを捨てる
「私は常に答えを知っているべき」とか「全部できなくてはいけない」などという思い込みはありませんか?
世界中のリーダーを見ても、すべてを自分でやっている人なんていないし、むしろ自分の出来ない事を公言しています。
出来ない事は出来る人に頼んだり、知らない事は新しく学べばいいだけです。
全部1人で出来ない事、全部を知らない事は恥ではありません。
こうした思い込みから設定したルールや基準には、残念ながら達することはありません。
思い込みを捨てるのは一朝一夕では変えられません。
インポスター症候群の感情が引き起こされたのを感じた時、頭の中の思考に意識を向けてください。
すべてを知らなくても、知ることができます。
周りの人から、学ぶことができます。
毎日自分に言い聞かせ、少しずつ、新しい設定やルールに慣れていきましょう。
【インポスター症候群の克服法⑥】自分にご褒美をあげる
小さな成功を達成して、それに対して自分にご褒美をあげましょう。
こうすることによって「私は自分の力で達成することが出来る」という自己効力感を高めることができます。
自分で自分を認める経験を増やしましょう。
【まとめ】インポスター症候群を克服しよう!
インポスター症候群を克服するには、自分自身を評価し、自分が完璧でないことを受け入れることから始まります。
もし、信用出来る人がいるのなら、その感情について話してみるのも良いでしょう。
「自分が足りていない」と思う感情は、ポジティブに働かせることもできます。
自分の持つ感情に苦しめられていると感じた時は、是非克服しようと舵を切ってくださいね。
もし、インポスター症候群の症状が長く続いていたり、それによって自分や周りの人に深刻な影響を与えている場合は、是非専門家の助けを求めてください。