AIの技術がどんどんと発展していき、今ある多くの仕事はAIに取って代わられると言います。
AI時代には「人間しかできない能力」を身につけていることが必要で、子供達にしっかり植え付けておきたいと最近思うようになりました。
人のまねをするならAIにもできます。
AIに出来なくて、人間にしかできないこと言えば、「物事の本質や心理を見つけて、イノベーションを生み出す力」なんじゃないかなと思いました。
それを学ぶため、2021年最後に石川善樹さんの「問い続ける力」を読みました↓
この記事では、「問い続ける力」から、私が特に感銘を受けた箇所を紹介したいと思います。
「では派」と「とは派」
「問い続ける力」は「では派」と「とは派」の説明から始まります。
- では派:
「日本では~」「うちの会社では~」と「~では」で話す人は、よく勉強し、答えを外に求める人 - とは派:
「~とは何か?」と問い、新たな知識を作り出す人。情報に頼らず、とことん考え、納得が行ってから外の世界に目を向ける人。
私は、思いっきり「では派」です。
頭の中に問いが生まれたとき、徹底的に調べ上げて、自分の中で納得点を見つけていくタイプです。
本の中にも、
どちらがより優れているかとかそういう話ではない。大事なのは、自分がどういう生き方をしたいのかということだ。
「問い続ける力」P11
とあるんですが、上に書いたように、すでにあるデータを分析して答えを導くというのはAIでもできることで、人間にしかできないのは「~とは?」と考えることなんじゃないかと思ったのです。
一流は本質的な質問を高い視座から解決する
「問い続ける力」の中に「視野と視座と視点は違う」と言う言葉がありました。
- 視点:
ものを見るために視線が注がれる点 - 視野:
1つの視点から考えが及ぶ範囲 - 視座:
物事を見る立場
一流の人こそ、本質的な「~とは何か?」の問いに対して、この3つを行き来して考えているそうです。
私達の脳は「見たいもの」だけ見るという性質があります。
それがあるので、目標を明確にイメージしておくことで、目標が実現するために必要な情報が目に入るようになると言います。
でも、その力が逆に働くと、自分の信じている世界にしか世界がないようになり、他にも世界が広がっていることを忘れてしまうんです。
世の中には自分が想像すらできないような真実があり、自分はまだそれを知らないことを信じるのである。
問い続ける力 P40
点と点をつないで考えるためにも、自分の信じている枠を外し、興味や知識の枠を広げ、俯瞰的に眺める能力を持つことは大切だなぁと思いました。
答えはみんな違っていい
以前読んだ「13歳からのアート思考」でも大変感銘を受けたのですが、この本にもあったのが、
ヨーロッパではまず「あなたがアートを見て感じることがあなたにとっての答えで、みんな同じ答えである必要はない。ひとりひとり違っていていい」ということを教える
「問い続ける力」P230
という考え方です。
「では派」代表みたいな私は、どうしても「この絵を描いたのは誰で、こういう時代で、こんなことを思って描いた」みたいのを知ろうとしてしまいます。
昔、「感情には不正解はない。感じる感情はすべて正解」と言われて、なんで自分が今まで「いい人」でいるために「自分がどう感じるか」よりも「人にとっての正解」を探りながら生きてきたんだろう、と思ったんです。
このアートの話が出てくるのは、料理人の松嶋啓介さんとの対談の中で、松嶋さんは料理の修行に来ていた時も、技術ではなく、料理が生まれた背景などのシェフとの対話を大切にされていたそうです。
日々、何かを感じようとして過ごし、未知のよさを発見することを喜びにする。
調べるよりもまずは体験する。先に体験すると、その後の学習も吸収がはやいかもしれませんね。
「問い続ける力」P243
自分の体験を、自分の感じたことを認めるっていうのが、私にはまず大切だなぁと思いました。
【まとめ】問いを立て、解決する習慣を身につける
「問い続ける力」では「どのように考えるか」「どのように問いを生むか」ということを、さまざまな人にインタビューをして、多面的に紹介してくれています。
自分の取り入れやすそうなところから試してみるのがいいのかな、と思っています。
「では派」は一気に答えに突き進むことができますが、「とは派」はなかなか答えまでたどり着けません。
でも、答えにたどり着いたら(たどり着かなくても)、自分の土台が確固たるものになって、「信念」や「強さ」につながると思います。
この一連のプロセスにおいて重要になるのは、がむしゃらな意思の力ではなく、不断の試行錯誤にほかならない。みずから小さな問いを立て、行動し、それを小さな報酬に結び付けながら変化し続けることだ。
「問い続ける力」P285
行き止まりも落とし穴もたくさんあると思いますが、「とは派」になるべく「問いを立てる」「答えを導く」つもりで、日々周りのものをしっかりと感じながら過ごしたいと思います。