自分のやりたい事ならすぐに取り掛かれるのに、やらなくてはいけない事となると全然頭が回らない事ってありますよね。
やりたくない事が大きなことのように感じたり、面倒だと感じたり、原因は様々です。
ADHDの症状の1つとして「やりたくないことを後回し」する「回避行動」というのがあります。
「ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック」第6・7章では、「後回し癖を克服し、1週間単位の時間管理」を学びます。
この記事では、やりたくない事を後回しにしてしまう原因と対処法について、私の経験や学んできたことを交えて説明します。
やりたくない事を後回ししてしまう原因

「やりたくない事を後回しにしてしまう傾向がある」と感じる人は多くいますが、原因はそれぞれ違います。
やりたくない事を後回しにしてしまう主な原因はこの4つです。
- やりたくなくて、他の事をしてしまった
- もっと面白い事を思いついて、そっちを優先した
- 思ったより時間がかかってできなかった
- やろうと思っていたこと自体を忘れてしまった
自分のやりがちな原因が分かれば、対処法がみつかります。
では、それぞれの原因についての対処法を紹介します。
やりたくない事を後回ししてしまう時の対処法

まず、全部の原因に共通する対処法をお伝えします。
何か不確かなことをやろうとする時や、得意でない事をやろうとする時は意思のパワーが必要になります。
そのためには、「面倒くさい」とも思わない単位のタスクに分解することが有効です。
- 「5分だけ」など時間で分解
- 「1か所だけ」など空間で分解
- 「3個だけ」など個数で分解
何かをやろうとした時に、それが「2時間」かかることだったら、ヤル気にならないと取り掛かれないかもしれません。
まず最初の「5分だけ」でできる事をして、とにかく手を動かし始めましょう。
「0」から「1」の状態にするのが、一番パワーを使います。
一度始めてしまえば、「やり始めるとやる気になる」というのはよくあることです。
ちょっと大変なタスクは「時間」「空間」「個数」に分解して、ほんの少しの意思のパワーで出来るようにしましょう。
では、それぞれの原因に対する対処法を説明します。
【原因①】やりたくなくて、他の事をしてしまった

やらなくてはいけない事が自分にとっては「やりたくない事」だと、ついついテレビを見たり、SNSを無駄にダラダラと眺めて時間をつぶしてしまいますよね。
「やりたくない」と思うのは、そのタスクにかかる時間が長かったり、大変だったりするからです。
タスクを分解して紙に書き出す
上で紹介したタスクを分解して「小さなタスク」にするのが有効です。
すべて書き出して、優先順位の高いものから順序だててみましょう。
紙に書き出すことによって、やらなくてはいけない事が見える化して、全体の量を把握しやすくなります。
「小さなタスク」を1つずつこなすことによって、達成感を得ることも出来て次の行動にもつながりやすいのです。
集中が途切れるものを排除する
ADHDタイプの人は、興味のない事をやっている時は集中が途切れやすいので、集中を妨げるものを先に排除することが大切です。
- スマホをマナーモードにして別の部屋に置いておく
- SNSのチェックは「終わったらする」ごぼうびにする
- 邪魔が入ってこないように誰もいない時間を選ぶ
今、取り掛かろうとしているプロジェクトに関係のないものが、目に入らいないようにしましょう。
この記事を書いたことは知らなかったけれど、「やるべき事」を中途半端で終わらせて、他の事をやりはじめてしまうのもADHDタイプの特徴でした。↓
【原因②】もっと面白い事を発見して、思いつきでそっちを優先した

家事など「やるべき事」「やろうと思っている事」は新鮮味もないし、面白くもありません。
「やりたい事」は「やりたくない事」の後にやる
たまたま思いついた「やりたい事」をすぐにやるのではなく、ノートにメモしておいて、「やらなくてはいけない事」の後に回します。
「やりたい事」はヤル気のある時にやってしまいたいですが、後回しにしてもヤル気がなくなることはないので大丈夫です。
「やりたい事」を「やりたくない事」をやったご褒美にしましょう。
ゴールを明確にして、終わった後をイメージする
上でも説明しましたが、ゴールが明確になっていると、行動に移しやすくなります。
「やりたくない事」には「何時までにどこまでやるか」というゴール明確にしましょう。
「やりたくない事」を終わらせたスッキリ感を先にイメージしておくと、やる気スイッチがONになりやすいです。
【原因③】思ったより時間がかかってできなかった

やろうと思った事をやりはじめたのはいいけれど、思ったより時間がかかり、終わらせることが出来なかったという事もありますよね。
自分が何かをやる時にどのくらいの時間がかかるのか、自分で考えている時間と実際にかかる時間は違うものです。
急いでやって出来たことがあると、普段の生活でもその時間で出来る気がしてしまいます。
まずは自分の中の時間の感覚と、実際の時間を合わせていくと、時間の見積もりのミスを減らすことができます。
それには、タイムログを取るのが有効です。
「タイムログを取る」についてはこちらの記事でも書きました↓
【原因④】やろうと思っていたこと自体を忘れてしまった

これについては本には説明がなかったのですが、私には多い「やりたくない事をやらなかった原因」の1つです。
やらなくてはいけない事を手帳に書き出したまでは良いのですが、やりたくなくて脳からこぼれ落ちるのです。
これを防ぐためには、やらなくてはいけない事を書き出し、見える化するよりほかはありません。
本では手帳に書くのを推奨されています。
もちろん、手帳を1日何度も読み返す習慣を付けるのが一番ですが、その習慣がつくまで、私はこんな工夫をしました。
- 手帳は目に見えるところに開けっぱなしにする
- Lineのメモ機能に打っておく
- スマホのTodoアプリでアラームを掛けておく
- PCや冷蔵庫など、必ず目にするところに貼っておく
- 思い付いたことをなんでも手帳に書く習慣をつける
とにかく、やらなくてはいけない事が目につく工夫をすることです。
【まとめ】やりたくないことを後回ししてしまう原因と対処法

やりたくないことを後回しにしてしまう原因と対処法についてまとめます。
- やりたくなくて、他の事をしてしまった
→ タスクを小さく分ける
→ ゴールまでの道筋を立てる - もっと面白い事を思いついて、そっちを優先した
→ やりたい事はやらなくてはいけない事の後に
→ ゴールしてすっきりしている姿を想像する - 思ったより時間がかかってできなかった
→ タイムログをつけ、時間の感覚をつける - やろうと思っていたこと自体を忘れてしまった
→ タスクを必ず目につくところに貼る
時間管理をすることで、「やらなくてはいけない事ができずに自己肯定感が低下する」生活から抜け出すことができます。
私も、まだまだですが、一緒に頑張りましょう!
こちらの本を元にして記事をいくつか書いています。
第1章「ADHDタイプが時間に追われる理由を知ろう」より
第2章「夜更かしをやめる/やる気を出す方法を学ぶ」より
第3章「気持ちの良い朝を過ごそう」より
第4章「忙しい夕方のバタバタを乗り切ろう」より
第5章「日中を効率よく過ごそう」より
第6章「面倒なことに重い腰を上げよう」
第7章「後回し癖を克服しよう」