先日、職場の若い男の子に昇進人事を打診したのですが、転勤が伴うということで本人からお断りをいただきました。
その昇進は、たぶん10年分くらいを飛び級する形で、彼の今の職場だと10年経っても経験できないことを、転勤先ではすぐに経験できるはずだったのです。
なぜお断りされたかというと、結局のところ「不安だったから」だと思います。
「病弱の彼女がいる」「実家を出て大丈夫か」「身の回りを1人でできるか」「おばあちゃんと会えなくなってしまうのはどうか」などなど。
私達としては、彼の不安をぬぐうべく、1つ1つ解決策を提示していったのですが、やっぱり不安がぬぐえず、お断りという結果になってしまいました。
その時、人はこうやって、心配事や不安で頭がいっぱいになって、チャンスを逃していくんだと感じました。
なので、今回は、
- 心配や不安でチャンスを逃さない方法
について説明します。
心配や不安はまず書き出す

頭の中でいろいろ考えていると、心配や不安な事は無数あるし、1つ1つどうしようもないほど大きく感じます。
思考の8割はネガティブと言われます。
これは、大昔のまだ狩猟で生きていた頃、小さな変化をキャッチして「あそこに危険な動物がいる」などと、必要以上に怖がっていた方が生存確率が高かったためです。
ちゃんと心配で不安がられる人間の遺伝子が今でも残っているので、心配や不安で頭がいっぱいになってしまうのは正常なことなんです。
でも、思考の9割は過去に思考した事を繰り返しているだけと言います。
だから、まずは紙に思いつく限りの全ての心配や不安を書き出してみてください。
事実について対処策はあるか考える

書いてある事を俯瞰して見てみましょう。
例えば、上の彼の例で言ったらきっとこんな感じだと思います。
- 彼女を連れて行ったとしたら、二人で生活できるか不安
- 病弱の彼女が親元離れて暮らせるか
- 彼女を置いていったら、遠距離恋愛になっちゃう
- いきなり大抜擢されて、仕事がちゃんとできるか不安
- おばあちゃんになかなか会えなくなっちゃう
そこにはまずたくさんの「感情」が書かれていると思います。
「事実」が書かれていたら、「事実」だけ抜き出してみましょう。
もし書かれていないのだとしたら、「事実」を導くための質問を考えてみましょう。
- 近くに彼女の通える病院はあるか
- 病弱の彼女が親にかけている負担はどのくらいで、どういったものがあるか。自分が代わりになれるか
- 地元にはどのくらいの頻度で帰れるか
- 仕事内容の確認。前任者から話を聞く。
他にも「月収はいくらか」「家賃はいくらか」「会社からの補助はどれくらいか」「生活費はどれくらいか」「どういう生活になるのか」などなど質問が思いつきます。
漠然と不安がるのではなく、「事実」をまず掴みましょう。
人に話を聞いたり、その土地の事を調べてみるのです。
書き出してみると、もっと聞かないといけない問題や、解決すべき問題が見えてきます。
未来を思い描く

事実が見えて来たら、漠然と不安を感じていた時よりもクリアーに問題について考えられるようになっていると思います。
問題はたくさんあったにせよ、不安だと思っていた環境に身をおく覚悟はできましたか?
もう1つ知っておいていただきたいのは、脳は「いつもと同じ」を好むと言う事です。
これも昔の人間から受け継いだ遺伝子で、「今生きている」ならば「これまでと同じ事」をした方が生存率が高いのです。
冒険なんてしようものなら、失敗をしたら命を落としていた時代があったのです。
あなたの心配や不安も、脳の働きによって増大しているのでしょうか?
未来ば漠然としていて、不安は過去の経験から詳細にイメージできるものです。
失敗の姿が多様なことと、失敗する確率が高いことは別である
佐渡嶋洋平「観察力の鍛え方」
未来がワクワク出来たら、1歩を踏み出してみてもいいかもしれません。
1歩を踏み出したいと思ったら、脳の特性を知って、望む未来を鮮明に思い描けるようになるまで不安の種をつぶしてみることです。
どんなに事前準備をしても、必ず予想外の出来事は起きます。
起きたときに、適切な対処を取ればいいのです。
もしそれを夢見ることができれば、その夢を叶えることができる
ウォルト・ディズニー
そして、最後に覚えておくべきなのは、「自分は1人じゃない」と言う事です。
困ったときは人に助けを求めることもできるんです。
【まとめ】心配や不安でチャンスを逃さない!

以上、心配や不安でチャンスを逃さないためにできることを紹介しました。
- 心配や不安を紙に書き出す。
- 事実について対処策はあるか考える
- 未来を思い描く
しっかり考えて、「やらない」と決断することもあるでしょう。
将来その決断に後悔をしそうな時、「あの時は知りうる情報をもとに徹底的に考えて決断をした」と言う事実があれば、やみくもに後悔することはないでしょう。
結局のところ、1歩踏み出した方が幸せだったのか、現状維持の方が幸せだったのかは比べようがありません。
でも、不安で押しつぶされそうな時に的確な判断をするためにも、まずは紙に書き出すことからスタートしましょう。