私の大好きな本の1つに「13歳からのアート思考」があるんですが、この本の最初にこんなことが書いてあります。
「アートという植物」は「表現の花」「興味のタネ」「探求の根」の3つからできています。
末永 幸歩「13歳からのアート思考」P32
私は、植物の生育に関わる仕事をしているのですが、最近の私と植物の生育とこの「興味のタネ」の話が重なりあった出来事があったので、シェアします。
興味のタネとは?
先ほど紹介した「アートという植物」を構成する3つを具体的に言うと、
- 表現の花:探求を進めた先にあるもの
- 興味のタネ:自分の内部に眠る興味・好奇心・疑問
- 探求の根:好奇心の赴くままに伸びていく探求の過程
となります。
自分の「興味」「好奇心」「疑問」から自由に世界を捉え、学び、自分なりの「モノの見方」を確立させ、そこから自分なりの「答え」を導き出すのです。
生まれ持って興味のタネを持っていない人はおらず、みんな持っています。
ピカソの有名な言葉で
子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。
パブロ・ピカソ
と言うのがあります。
また、本にあるこの問いにギクリとする方もいるかもしれません。
誰かに頼まれた「花」ばかりつくってはいないか?
末永 幸歩「13歳からのアート思考」P43
「探求の根」を伸ばすことを途中で諦めていないか?
自分の内側にあったはずの「興味のタネ」を放置していないか?
元々みんな持っていたのに「持っていない」と思う人は、大人になる過程で、見えないように隠してしまったか、放置しているのです。
植物のタネの育ち方
ここからは、本当の植物のタネの育ち方について説明します。
植物は花が終わるとタネを作ります。
この時、タネの中には根と双葉を出すための貯蔵養分がたっぷりと入っています。
貯蔵養分での成長を終えて初めて、土中から根を介して養分が吸えるようになります。
肥料をたくさん与えて、大きく育って欲しいところですが、肥料を上げすぎると「肥料焼け」を起こします。
「肥料焼け」は、肥料を必要以上に与えることで、植物より土中の濃度が高くなり、植物の水分が土中に流れてしまう事で起こる生理障害のことです。
初期成長の段階では根は土中の養分を必要としませんし、夏場の弱っている植物や傷ついている植物に強い肥料をあげることも厳禁です。
冬の根が衰退する時期に肥料をあげても、植物は肥料を全く吸うことができません。
肥料を適期に適量与えることが重要になります。
興味のタネの育て方
さて、本当の植物の成長について見ていただきましたが、私はこの貯蔵養分での成長は幼児期の成長だと思うんです。
特に知識を与えられることもなく、目の前の世界について興味を持ち、ためらいなく探求を進めます。
貯蔵養分での成長が終わると、いよいよ世界に根を広げ栄養を吸収をしていきます。
最初はきっとぐんぐん吸収をしていくことでしょう!
でも途中で人の目を気にしたり、周りの大人から言われたことによる思い込みによって探求の根を伸ばすことをやめたり、根が枯れてしまうのだと思うんです。
そうなってしまったら、まずは自分自身や探求の根を元気にしないといけません。
元気にするためには、本当に大切な部分だけ残して、いらなくなった部分を切り落とす必要があるかもしれません。
自分の根はどこへ向かっていたのか、自分は何にときめいてきたのかを自分に問いかけてみましょう。
根が元気に戻ったらはじめて、適量の養分を与えていきます。
【まとめ】じっくりと興味のタネを育てよう
興味のタネの育て方と本当の植物の育て方に親和性を感じたので記事にしてみましたが、いかがでしたか?
とにかく大切なことは、
- 興味のタネはみんな持っていると知る事!
- 根っこを元気にすること!
- 適宜・適量の肥料を与えること!
です。
元気な根っこは水を求めてぐんぐん伸びていきます。
ぶっちゃけ肥料を与えなくても十分強い植物に育つこともあります。
簡単に元気な植物を育てるためには肥料を与えるのが近道なので、自分に適期・適量の肥料を与えましょう!