「ハビットスタッキング(Habit Stacking)」という言葉を知っていますか?
「ハビットスタッキング」とは、1分以内で終わるような小さな行動を習慣として積み上げていくという目標達成のための方法です。
「ハビット(habit)=習慣」「スタッキング(stacking)=積み上げる」なので文字通り「習慣の積み上げ」になります。
「ダイエットをしたい」「英語の勉強をしたい」「運動をしたい」「もっと本を読みたい」などなど、私達には習慣にしたい行動がありますよね。
「今は忙しいからできない」とか「今日は気分が乗らないからできない」とかなんだかんだ理由をつけて、3日坊主になってしまう人には朗報です。
この記事では、
- ハビットスタッキングのやり方
- ハビットスタッキングの例
について書きます。
ちなみに、私はこちらの本で「ハビットスタッキング」を知りました。
日本ではあまり有名ではありませんが、発売3か月で30万部、1年で110万部売れたベストセラー本です。
新しい習慣を定着させるための方法を実例や生物学、神経科学、哲学、心理学の研究結果を駆使して説明している本で、とても参考になります。
では「ハビットスタッキング」について説明します!!
ハビットスタッキング:目標は小さな行動の積み上げで成し遂げる
まず最初に知っておきたいのは、脳の働きについてです。
このブログでも何度かお伝えしましたが、脳は私達が「死なない」ための選択を最重要視します。
今、生きているなら、脳としてはそれでOKなわけです。
どんなに「もっと良い自分でいたい」と思っても、脳は変化を嫌います。
私達が「3日坊主」になってしまうのは、脳が変わりたくないと抵抗するためです。
それを「意思の力」で成し遂げようとするのは至難の業です。
脳をだましつつ、毎日1%ずつ自分の望む方向へ進んでいく、それがハビットスタッキングです。
ハビットスタッキングのやり方を説明します。
ハビットスタッキングするための「良い習慣」とは?
ハビットスタッキングで日々取り組んでいく「小さな行動」も何でも良いという訳ではありません。
ここではハビットスタッキングのための「良い行動」を説明します。
【ハビットスタッキングのための良い習慣】
- 意思の力や努力に頼らない
- 古い習慣に新しい習慣をくっつける
- 「いつ」「どこで」「何を」がはっきりしている
- 出来なかったらどうするか決めておく
1つずつ詳しく説明します。
【ハビットスタッキングのための習慣①】意思の力や努力に頼らない
ハビットスタッキングで積み上げていく小さな習慣は「意思の力」や「努力」が必要ないレベルの習慣が好ましいです。
意思の力が必要になると、「やりたい日」と「やりたくない日」が出てきます。
モチベーションが上がらないとできないような習慣は「良い習慣」とは言えません。
毎日「腹筋を50回」やるのを習慣にしたいなら、まずは「腹筋をするために寝転ぶ」くらい馬鹿げている小さな行動から始めてみましょう。
「本を20分読みたい」なら、初日は「読みたい本を持って座る」から。
「瞑想をしたい」なら、初日は「瞑想のために座る」から始めます。
それが問題なく出来るようになったら、回数や時間を1回ずつとか1分ずつなど、小さなステップで増やしていきます。
【ハビットスタッキングの極意①】
馬鹿らしいほど小さな習慣から始める。
【ハビットスタッキングのための習慣②】古い習慣に新しい習慣を重ねる
人は誰しも既に何かを習慣としています。
毎朝右足からベッドを降りる、トイレに行って、顔を洗う…と大体行動は決まっています。
私達は意思の力で色々と考えて行動をしているようですが、人間の行動は90%がこのような無意識のルーティンで行われていると言われています。
この既に行われているルーティンのつながりの中に、新しい習慣を積み重ねるとハビットスタッキングがうまく働きます。
例えば、
- 「朝起きる→トイレに行く→コーヒーを淹れる」の間に「朝起きる→トイレに行く→トイレ周りをさらっと拭く→コーヒーを淹れる」
- 「帰宅する→お風呂に入る」の間に「帰宅する→スクワット10回→お風呂に入る」
というように、今ある行動のつながりの中に追加します。
今ある習慣の中に、まったく別な事を追加するのはうまくいかない可能性があります。
「退社する→帰宅」の間にスポーツジムがあるなら「退社する→ジムへ行く→帰宅」も習慣に組み込みやすいです。
でも、降りる駅が違ったり、違う道を通らないといけない場合は、習慣にするのが難しくなるかもしれません。
【ハビットスタッキングの極意②】
既存の習慣のつながりの中に新しい習慣を組み込む
【ハビットスタッキングのための習慣③】「いつ」「どこで」「何を」がはっきりしている
ハビットスタッキングは、行動を起こすトリガーが明確ですぐに実行可能な場合によく働きます。
多くの人は、習慣にしたい行動に曖昧さを残してしまいます。
例えば「毎晩腕立て伏せを10回する」と決めたとします。
でもこれでは「帰宅したらすぐ」なのか「夕食後」なのか「入浴前」なのかはっきりしません。
前述の通り、既にある習慣を「トリガー」にして新しい習慣を積み上げるので、その「トリガー」を明確にしなくてはいけません。
「いつ」「どこで」「何をするか」は常に明白でなくてはいけません。
例えば、
- 毎朝コーヒーを淹れた後、キッチンで1分間瞑想する
- 寝る前、ベッドの中で20分読書をする
- 夜の歯磨きが終わったら、洗面所でフロスする
明確に決めていれば、そこに意思の力は必要なく、トリガーを見たら行動に移すのみです。
【ハビットスタッキングの極意③】
[古い習慣]の後、「いつ」「どこで」[新しい習慣]をする、を決めておく
【ハビットスタッキングのための習慣④】できなかったらどうするか決めておく
いくら「トリガーを見たら行動に移すのみ!」と言っても、出来ない時はありますよね。
そんな時のために「もし~なら、…」というバージョンも作って、予期しない状況に備えましょう。
例えば…
- ランチに油物を食べたら、夕食にサラダを食べる
- 21時までに1時間資格の勉強をしなかったら、終わるまでテレビをつけない
- 朝の瞑想を忘れたら、ランチを食べた後に実行する
どんなに習慣を実行したくても、不測の事態は起きます。
そんな時のためにバックアッププランを持っておくと、行動の連鎖がストップせず持続することができます。
【ハビットスタッキングの極意④】
不測の事態に備える
【まとめ】ハビットスタッキングは習慣を続けている事に焦点を当てる
以上、ハビットスタッキングについて説明しました。
最後に、簡単にハビットスタッキングをまとめます!
【ハビットスタッキングのやり方】
- 馬鹿らしいほど小さな習慣から始めて、増やすときも小さなステップにする
- 古い習慣のつながりの中に新しい習慣をくっつける
- 古い習慣をトリガーとして「いつ」「どこで」「何を」を明確にする
- 出来なかったら時のバックアッププランを考えておく
ハビットスタッキングで最も大切なことは、「習慣付ける」という事です。
つまり続けていかなくては、意味がありません。
小さな行動を続ける事で習慣になる。
それを、少しずつ増やしていくことで大きな結果がついてくるのです。
ハビットスタッキングの本といえば、日本ではこちらの本のほうが有名です。
上で紹介した本は、ハビットスタッキングだけでなく「習慣のつけ方」について色んな手法が紹介されています。